New Goat Leather Archive ③

不定期連載のRawtusアーカイブは2008年にブランドが
ローンチしてから現在までで、ベストセラーになったもの
や、特に思い入れがあるもの、などの話をしていきます。

 

Episode 3は2012年の春夏物で初めてお披露目された
オーバーサイズのロングコートです。

 

 

分量感があるオーバーサイズのコートは使う皮革の量
が物凄く多いため、それがそのまま販売価格に反映する
のでかなり高額商品になってしまいます。

 

そのため、アイディアはかなり前からあったのですが
リアルに作るとなるとサンプル費だけでも10万円以上
かかってしまうので、なかなか実現化ができませんでした。

 

しかしある時スタッフが着ていたコットンのトレンチコート
を手で持った時に「あれ?意外と重いなぁ、」と感じました。

 

 

コットンのコートは一枚仕立てであればそこそこ軽いので
すが、そこに裏地が付き、仕立てる際に使用する芯地や
ポケットの袋地に使うスレキ布、そしてボタンなどの副資材
がプラスされることによって最終的には見た目より
かなり重く感じる仕上がりになってしまっています。

 

ひょっとしたら薄くて軽いNew Goat Leatherを使って
一枚仕立てで仕立てた方が全然軽く仕上がるのでは、、、
と思い、同じようなデザインで試作してみました。

 

比較してみると思った通り裏地や付属が多く付いた綿の
コートよりも裏地も芯地もボタンすら付かない
New Goat Leather製のレザーコートの方が全然
軽く仕上がっていたのです。

 

「レザー」と聞くと、多くの人は綿のコートより重いと
感じる人の方が多いと思います。

 

確かにライダースジャケット用の皮革であれば
圧倒的にレザーの方が重いでしょう。

 

しかし、オリジナルのアイディアで薄く加工された
厚みがわずか0,4ミリのNew Goat Leatherであれば
その常識を覆すことが出来て人々に驚きを与える事が
出来るんじゃないかと思いました。

 

なのでこのオーバーサイズのコートはお客様が
手にとって羽織った時に感じる驚きと感動を与えられると
思い、それ以来薄くて軽い特徴を最もストレートに表現
出来るアイテムとして毎シーズン作り続けています。

 

(2020年モデルのレザーコート)

 

次回も名作が登場します。
 
お楽しみに。To be continued….