2012spring & summer color ⑤
Peat/ピート 僕らがピートという存在を知ったのは「スコッチ・ウィスキー」がきっかけ。
「スコッチ・ウィスキー」は英国スコットランドで製造されるウイスキーで、これがアメリカだと「バーボン・ウィスキー」になるのですが、このスコッチは製法に関して特徴があり、原料となる麦芽を乾燥させる際に使用する燃料として泥炭(ピート)を使っている。
このピートは簡単に言うと堆肥のような地層。長い年月をかけて「石炭」になる過程のものなので当然燃えやすい。
バーボン・ウィスキーが樽を焦がして香り付けするのに対してスコッチはピートを使用することで「スモーキーフレーバー」と呼ばれる煙臭が麦芽に染み込みこれがスコッチ・ウイスキーの香りとなる。
以前ニューヨークで仕事をしていた頃にスコットランド出身のデザイナーと飲んでいた時、彼が「故郷の土の匂いのお酒」としてOBANという名前のスコッチを勧めてくれた。
このOBANは何か焦げ臭い燃料臭がして最初は癖があって馴染めなかったけど、今は何か好きになってしまった。
彼曰く、ピートが掘り出された場所や深さ、炭化の進み具合、ピートを焚く時間の長さによって煙の香りが全く違うらしい。
スコットランドの土の香りだよと教えてくれた。