The archives「Trench Coat」①

The archives「Trench Coat」

ブランドのアーカイブとして今まで作り続けてきた逸品を
振り返る企画です。
第1弾はトレンチコートをクローズアップ。
Rawtus 2011 fall-winter collectionから定番スタイルとして
毎シーズン作り続けられていて、シーズンにより
レザーだったりテキスタイルだったりと色々と
表情を変えながら変化していきます。

 

 

2011 fall

古典的なトレンチをNew Goat Leatherで仕立てたスタイル。
バックルも本革でくるんだ物を使い、ボタンが無い着流し風
ロングカーディガンタイプのデザイン。
衿には取外しが可能なラクーンフアー衿が付き、ライナー
にはカシミヤで編みたてたニットカーディガンが組み合わ
され、保温性をキープ出来るように工夫されています。
薄いNew Goat Leatherの弱点でもある寒さ対策をした事で
冬季でも着られるように考えられたこのモデルは
Pariで開催されたTRANOI展示会で多くの海外バイヤーの
目に留まり、このシーズンを代表するベストセラーに。
このレザーとカシミア、ファーの3点セットのデザイン
が生れた事によりこのシーズン以降多くのバリエーション
が展開されることになっていきます。

 
 
 

 

2012 spring

ラグランスリーブ、箱ポケット、ストームフラップ、肩章
など古典的なトレンチコートのディティールはそのままに
ボタンも革でくるんで前を留められるようにしたスタイル。
着丈も軽さを出すためにショートにしたことで春先に
さらっと軽く羽織れる感じが高評価。
色展開は明るめのパウダー調のカラーリングにしたことで
ぱっと見でレザーとは思わせない感じに仕上がったため
実際に触った時に初めてレザーと気が付く方も多かった。

 
 
 

 

2012 fall

2011年モデルを進化させてきちんと前をボタン留めできる
デザインへと改良したモデル。
革くるみボタンや革巻きバックルで見た目をレザーで統一
した。

 
 

 

2013 spring

軽さとカジュアルイメージを追求した事でフロント部分を
一枚で仕立ててNo.1005のようなドレープが生まれる
ドレープフロントのデザインが好評。
仕上げも霧を吹いてから手でシワ付けしたミストウオッシュ
フィニッシュにした事でレザーならではの質感を直接
肌で感じることが出来る。
さらにシワ付け加工をているので、小さく畳んで
トートバックの中に入れて持ち歩いたりしても
シワが気にならないなど、トレンチコートの概念と
カーディガン的な要素をプラスさせた画期的なスタイルは
ブランドの方向性を明確に表している。

 
 
 

 

2013 fall

このシーズンはレザーと布地をコンビネーションした
スタイルに人気が集中したため、このトレンチもウールの
メルトンというしっかりしたテキスタイルと、それに負けな
いように厚みを持たせた0.6mmのTHICK TYPEのニュー
ゴートレザーで仕立てることで構築的なシルエットが出るよ
うに仕立てました。
レザー部分は衿、袖、ストームフラップ、ベルトパーツ
のみでボタンも水牛製でツヤがあるものを使用。
衿にはダークブラウンに染めたラクーンファーの取り外し
可能な衿も付いている総裏仕立てのモデル。

 
 

 

2014 spring

前シーズンから引き続き構築的なスタイルでコンパクトな
シルエットで仕立てています。
アクセントとして黒蝶貝の貝殻から作る貝ボタンを採用。
貝ボタンは一枚の貝殻を丸くくり抜いて加工するため
ボタンのサイズが大きくなるほど1枚の貝殻から取れる
個数が少なくなるのでとても希少性のあるボタンです。
本貝ボタンはフェイクの貝調の物では醸し出せない重厚な
光沢や質感、風合いがあり、ニューゴートレザーとの相性
がとても良かったので完成度の高いモデルになりました。

 
 
 

 

2014 fall

引き続きシルエットはややタイトでコンパクトなスタイル
が続いていたのでシャープなイメージに。
このモデルの最大の特徴はライナーに使ったファーベスト。
このファーベストに使われているのがキタキツネの毛皮。
エゾレッドフォックスと呼ばれ、北海道で狩猟によって
ごくわずかに捕獲されたキタキツネを使っています。
キタキツネは皮膚が薄く軽いのが特徴。
このベストはその希少な毛皮を細くテープ状にカットして
つなぎ合わされた糸状のものをセーターのように編んで
仕立てています。
今まではライナーはカシミヤニットを組み合わせていまし
たが、このシーズンはカシミヤよりも高級なフォックス
ファーニットを使うことでより価値観を高めています。

 
 
 

to be continued